毎年7月になると、相続税や贈与税で土地を評価するときの基準となる「路線価」が国税庁から公開されます。今年(令和8年分)も、例年どおり7月1日に公開されました。
普段あまり意識されることのない数字かもしれませんが、実は相続税の金額に直結する、とても大切な指標です。今回は、路線価がどういうものかというところから、今年の傾向まで、できるだけやさしくご紹介したいと思います。
路線価とは、道路に面した土地1平方メートルあたりの価格のことで、相続税や贈与税で土地を評価するときの基準として使われます。全国およそ32万地点について、毎年その年の1月1日時点の価格が算定され、7月に公開される、という流れになっています。
似たような数字に「公示地価」というものもありますが、こちらは3月に発表される、また別の指標です。路線価は、この公示地価のおよそ8割程度になるように設定されることが多いといわれています。
亡くなられた年、または贈与を受けた年の路線価を使って評価する、という仕組みになっています。たとえば令和8年中に相続が発生した場合は、今回公開された「令和8年分」の路線価を使うことになります。
今年発表された路線価は、全国平均で前年より2.9%上昇し、5年連続の上昇となりました。上昇率としては、今の算定方法になった2010年以降でもっとも大きな伸びだそうです。
全国でもっとも路線価が高いのは、41年連続で東京・銀座の中央通りです。また、都道府県庁所在地の最高路線価を見ても、下落した都市はひとつもなく、9割以上の都市で上昇したとのことですので、地価の上昇はかなり広い範囲に及んでいるといえそうです。
神戸市の最高路線価(三宮周辺)は、前年より約9.6%の上昇となっており、全国的に見てもかなり高い伸び率でした。
また、少し前に発表された公示地価(毎年3月発表・路線価とは別の地価指標です)の分析によると、神戸空港の利用者数が増えるなど人の流れが戻ってきていることが、三宮周辺の地価を押し上げている背景のひとつとして挙げられています。同じ分析では、大阪への通いやすさから阪神間(尼崎・西宮・芦屋など)の人気も高まっており、兵庫県内でもエリアによって上昇の度合いに差が出てきている、とされています。今回の路線価にも、こうした流れが概ね反映されていると見てよさそうです。
路線価が上がるということは、その分だけ土地の相続税評価額も上がりやすくなる、ということでもあります。評価額が上がれば、当然ながら相続税の負担も重くなる可能性があります。
「うちの実家の評価額は今どれくらいなんだろう」「このまま相続が発生したら、税額はどのくらいになりそうか」といったことが気になる方は、一度目安だけでも確認しておかれると、心づもりがしやすくなるかと思います。
路線価は毎年変わるものですので、「去年確認したから大丈夫」と思わずに、節目節目で見直していただくのがおすすめです。ご自身の土地の評価額がどのくらいになりそうか気になる方は、お気軽にご相談ください。一緒に確認していきましょう。
※本記事の内容は令和8年(2026年)7月1日に国税庁から公表された情報に基づいています。地域ごとの数値は目安としてご参照いただき、実際の評価にあたっては個別の路線価図をご確認ください。